お店のインフルエンサーPRでよくある5つの間違い。頼む前に決めておく3つとは?

「インフルエンサーさんに紹介してもらったんですけど、お客さんが増えたのかどうか、よく分からなくて」

「再生数はすごかったんです。でも、それで終わりました」

地元のお店の方とPRの話になると、この2つをよく聞きます。

私たちは兵庫県宝塚市で、地元のお店40社以上のSNSを見てきた兄妹です。人口22万人の街で、自分たちの地域情報発信メディアはSNSの総フォロワーが3万人になり、地元のお店や施設から「紹介してほしい」というご相談を受けて、PRの投稿を作る側にいます。今月も、小売店・商業施設・子ども向けの教室と、業種の違う3つのPRを並行して進めています。

PRは、お店とインフルエンサーがお互いの価値を出し合う仕事です。
お店は商品とお客さんへの理解を、インフルエンサーは届ける力を持ち寄ります。
作る側にいると、PRがうまくいくかどうかは頼む前の準備が重要だと感じることがよくあります。PR効果を最大化させるために、お店側で何が変わったか、何を変えたいかをしっかりと決めておく必要があります。

この記事では、私たちが頼まれる側として先に決めてもらっている3つと、よくある間違いを5つ書きます。読み終わると、次にPRを頼むとき、何を伝えて、何を数え、何を確認するかが決まります。

結論から書きます。

  1. 頼む前に決めるのは、目的・数える方法・数字の確認、の3つ

  2. 目的は「何が変わったら成功か」を1つに絞る(来店・特定の商品・初めての客層・フォロワーのどれか)

  3. 数える方法は、お店側で数えられるものにする(来店時の一言・プレゼントを渡した数・紹介した商品の動き)

  4. 投稿の数字は、頼むときに「投稿から2日後の数字を見せてほしい」と確認しておく(本来はインフルエンサー側から出すものだと私たちは思っています)

  5. 見る数字は来店数だけではなく、再生数・到達した人数・保存・シェア・コメントも見る。到達は、街の人口と比べる

順番に、間違いから書きます。

間違い① 「とにかく紹介してほしい」で頼んでいる

●問題点

目的が決まっていないと、投稿が出たあとに「良かったのかどうか」を判断できません。再生数が大きくても、それが来店なのか、特定の商品が動いたのか、初めての方が増えたのかは、別の話です。私たちは打ち合わせの最初に、この「何が変わったら成功か」を1つだけ聞くようにしています。1つに絞れないと、たいてい「全部」になって、あとで何も測れなくなります。

●対策

何が変わったら成功かを、1つに決めてから頼みます。書き方の例です。

✕ いい感じに紹介してください

◯ 土曜の来店を増やしたい。特に、このお店を初めて知る方に来てほしい

1つに絞ると、動画の作り方も決まります。初めての方に来てほしいなら、お店の場所と入りやすさを動画に入れる。特定の商品なら、その商品を作る手元から始める。目的が動画の設計を決めるので、目的はお店の側が持っていると、インフルエンサー側も力を出しやすくなります。

間違い② 投稿の数字を、聞いていない

●問題点

そもそも、投稿の数字を聞くお店の方のほうが少ないです。再生数と到達した人数、保存の数をインフルエンサーに確認しているなら、それで十分です。ただ、多くの場合は数字を見ないまま「なんとなく良かった」で終わっています。数字がないと、次に同じ方へ頼むか、別の方法にするかを判断できません。

私たちは、投稿の数字は本来インフルエンサー側から出すものだと思っています。PRは仕事なので、作ったものの結果を伝えるのは、作った側の役目です。だから私たちは頼まれる側として、「レポートにしてお見せします」と伝えるようにしています。

●対策

頼むときに、数字の確認を一言入れます。

✕ 数字は聞かないまま、投稿が出て終わる

◯ 頼むときに「投稿から2日後の到達・保存・シェアを見せてほしい」と伝えておく

先に言われていれば、インフルエンサー側は準備できますし、日ごろから数字を見ている方なら、すぐに出せます。頼むときに一言あるだけで、お店の方が「数字を聞いていいのか」と迷う時間もなくなります。

間違い③ 見ているのが、来店数だけ

●問題点

投稿が出たあと、お店の方が見ているのは来店数だけ、それも「なんとなく増えた気がする」「変わらない気がする」という感覚であることが多いです。来店数は天気や曜日や他の告知でも動くので、感覚だけでは、投稿が効いたのかどうかを切り分けられません。

●対策

来店数と合わせて、投稿の数字も見ます。再生数、到達した人数、保存、シェア、コメントの5つです。再生数は同じ人が何度見ても増えますが、到達した人数は「何人に届いたか」です。到達は、街の人口と比べます。宝塚なら22万人です。人口の何割かで見ると、お店の方は自分の街の感覚で読めます。

保存は「後で行く」の目安、シェアは「誰かを誘う」の目安です。この2つは、最終的に店頭で「見ました」と言ってもらえる人につながる数字です。来店数の感覚と、この5つの数字を横に置くと、動画が効いたのかどうかが読めるようになります。

間違い④ 投稿日に、お店側で結果を検証できる準備がない

●問題点

投稿が出た日、お店には「動画を見て来たお客様」が混ざって来ます。でも、聞かなければ分かりません。1週間たつと、誰がきっかけで来たのか、思い出せなくなります。インフルエンサー側の数字がそろっていても、お店側の数字がゼロだと、投稿とお店の変化がつながりません。

●対策
「何をみられてきたんですか?」と素直に聞くのも良いですが、お店側で数えられるものを、1つ用意します。「動画を見たと言ってくれた方の数」、「動画を見た方へのプレゼントを渡した数」、「紹介した商品の動き(売り切れた・仕入れを増やした)」のどれかです。

私たちが最近作ったPRでは、動画を見て来店した方への先着のプレゼントを付けて、お店の方が渡した数でそのまま数えられるようにしました。
10月に投稿する商業施設のイベントでは、会場にQRコードを置いて「今日来たきっかけ」を聞く形で準備しています。数える仕組みは、投稿の前に置いておくものです。

間違い⑤ 伸びたあとの準備をしていない

●問題点

動画が伸びると、その商品を目当てにした方と、いつものお客さんが同じ時間に重なります。提供時間が延びて、ご意見が出る。売り切れてから来た方に、お伝えできない。地元のカフェで実際に起きたことで、伸びたこと自体はうれしいのに、現場は困っていました。

●対策

告知の文面に「お待たせする場合があります」を先に入れておきます。待つと分かって来た方は、待てます。売り切れの見込みがある商品は、当日の残りをストーリーズで伝える。この2つを、そのカフェでは打ち手にしました。伸びたあとの準備まで含めて、PRの設計だと思っています。

頼まれる側として、先に決めてもらっている3つ

1)目的を1つ

「何が変わったら成功か」を、打ち合わせの最初に聞きます。答えが「全部」なら、いちばん困っていることを1つに絞ってもらいます。

2)お店側で数えるもの

来店時の一言、プレゼントを渡した数、紹介した商品の動き。お店の方が無理なく数えられるものを、投稿の前に1つ決めます。

3)数字の見せ方

投稿から2日の初動と、打ち合わせ当日の最新の数字を、横に置いて見せます。2日の数字だけだと「その後も効いているか」が分からず、最新だけだと「初動で何が起きたか」が分かりません。2つを横に置くと、リールが投稿のあとも検索や保存から見られ続けているかが読めます。

もう1つ、頼む前に必ず確認してほしいことがあります。その方の過去のPR投稿に「#PR」やタイアップの表記が入っているかどうかです。PRであることを明記するのは、インフルエンサーとして当たり前のことです。表記のない投稿は、いまは規制の対象で、何かあったときに言われるのはお店側です。入れていない方には、そもそも依頼しないようにしてください。

PRで動くのは「認知」まで。さらに背中を押すには、お店側のSNSも重要です

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

インフルエンサーPRで動くのは、お店を知らなかった人に知ってもらうところまで、つまり認知の獲得までです。そこから実際に行くかどうかまでを動かすのは、動画の作り方でインフルエンサー側もある程度は工夫できます。ただ、最終的に背中を押すのは、お店側のSNSが整っているかどうかです。

ここで言う「整っている」は、3つです。動画で興味を持った人が次に気になる情報(場所・営業時間・予約の方法・値段)が、お店のSNSにちゃんと並んでいるか。商品の魅力が、お店のアカウントでも伝わる形になっているか。そして、頼んだ動画のターゲットと、お店が実際に来てほしいお客さんが合っているか。動画を見てお店のアカウントに来た人は、ここで行くかどうかを決めます。

だから、PRが成功するのは、お店側のお客さんへの理解と商品への理解に、インフルエンサーの届ける力を掛け合わせたときです。どちらか片方では、動画が伸びても、お店には残りません。目的・数える方法・数字の確認の3つは、その掛け合わせを頼む前に整えるための準備です。

広告でも同じことが起きていました。1万円のテスト広告で分かったのは、広告費で動くのは「人を連れてくる」までで、その先は広告の外側で決まる、ということでした。気になる方は、合わせて読むと理解が深まると思うので是非!


今日からできること

  1. 次にPRを頼む前に、「何が変わったら成功か」を1つ書く

  2. 頼むときに、「投稿から2日後の到達・保存・シェアを見せてほしい」と伝える。その方の過去の投稿に「#PR」が入っているかも見ておく

  3. 投稿日までに、お店側で数えるもの(一言・プレゼント・商品の動き)を1つ決める

  4. 投稿が出る前に、自分のお店のSNSに、場所・営業時間・予約の方法・値段が並んでいるかを見直す

  5. 投稿から2日後と2週間後に、来店数の感覚と、再生数・到達・保存・シェア・コメントを横に置いて見る

目安は、決めるのは3つ、数字は投稿から2日、比べる相手は街の人口、です。ここが決まっていれば、再生数が大きい日も小さい日も、お店に残るものがあります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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地方の「おもろい」を発信する兄妹マーケター「タカたび」です。兵庫県宝塚市を拠点に活動しています。Instagramフォロワー約2.3万人(宝塚市最大規模)。兄は元楽天のECコンサルタント、妹は元地方銀行員。SNS発信とAIのフル活用を武器に、地元企業の集客支援とローカルインフルエンサーの育成に取り組んでいます。このブログでは、地域創生×SNS×AI活用の実践のリアルを毎日公開しています。

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